空き家じまいとは
空き家じまいは、住む人がいなくなった家について、管理しながら今後の使い道を決め、売却・賃貸・解体など必要な手続きを終えることです。法律上の手続き名ではありません。親の家に限らず、自分の家や相続した別の家も対象になります。
当サイトでいう実家じまいは、親の家財や名義、お墓・仏壇まで含む広いテーマです。このページでは、空き家になった建物と土地の行き先に焦点を当てます。
国土交通省は、空き家を長く放置すると老朽化が進み、売却や賃貸が難しくなると案内しています。「売る」と決める前でも、家を傷ませない管理と現状確認から始めましょう。
最初に確かめる3つのこと
| 確認すること | 見る資料・場所 | 次の判断にどう使うか |
|---|---|---|
| 誰の家か | 登記事項証明書、固定資産税の納税通知書 | 相続登記や共有者との話し合いが必要か分かる |
| 今どんな状態か | 建物の外観・室内、雨漏り、庭木、接道 | 修繕・売却・解体の見積もりに必要 |
| 何にいくら払っているか | 固定資産税通知書、保険・水道・電気等の契約、管理費の記録 | 持ち続ける費用と手放す費用を比較できる |
相続した不動産の登記は、取得したことを知った日から3年以内が原則です。遺産分割がまとまらない場合の相続人申告登記も含め、詳しくは相続登記の義務化を確認してください。
行き先を決めるまでの進め方
- 当面の管理担当を決める。 鍵を確保し、雨漏り・破損・草木・郵便物を確認する。遠方なら家族や管理サービスへの依頼も検討する。
- 名義と共有者を確認する。 相続人が複数なら、費用負担と連絡窓口も決めておく。
- 家財と重要書類を分ける。 権利関係の書類、写真、貴重品を先に確認する。片付け費用は現地を見てもらって見積もる。
- 売却・賃貸の可能性を調べる。 不動産会社や自治体の空き家相談窓口に、建物付きで扱えるか、修繕が必要かを相談する。
- 解体も含めて比較する。 解体費、解体後の土地の使い道、固定資産税、市区町村の補助金を確認してから決める。
- 選んだ方法の手続きを進める。 売買・賃貸契約、片付け、解体、登記などを順に行う。
売却に進む場合は、相続した被相続人の居住用家屋に使える3,000万円特別控除の要件を売る前に確認してください。すべての空き家に使える制度ではありません。
売る・貸す・解体する・管理を続ける
| 選択肢 | 先に確認したいこと | 関連する記事・データ |
|---|---|---|
| 建物付きで売る | 売却できる状態か、家財をいつ撤去するか、特例の対象か | 売れない実家の選択肢・空き家特例 |
| 貸す | 修繕費、借り手の見込み、貸した後の管理 | 固定資産税と管理 |
| 解体して土地を売る・使う | 解体見積もり、補助金の申請順序、解体後の税金 | 解体補助金データ・固定資産税と管理 |
| しばらく持ち続ける | 誰がどの頻度で点検するか、年間維持費、判断を見直す時期 | 固定資産税と管理 |
「解体すれば必ず売れる」「建物を残せば税金が安いから得」とは限りません。売却価格や工事費、土地の税額は物件ごとに違います。空き家じまいの費用で、比較する項目を整理しています。
売れない場合と、まだ決められない場合
不動産会社に断られた場合も、買取、空き家バンク、隣地所有者への相談など、条件に応じた方法があります。田舎の実家が売れないときの選択肢を確認してください。
すぐに結論を出せないなら、管理担当と費用負担を決め、いつ再判断するかを家族で共有しましょう。管理が不十分な空き家は、市区町村から指導や勧告の対象となることがあります。勧告を受けると土地の住宅用地特例が適用されなくなる場合があります。制度と税額の仕組みは固定資産税と管理にまとめました。
相談先を選ぶ
| 困っていること | 相談先 |
|---|---|
| 名義・相続登記 | 法務局、司法書士 |
| 売却・賃貸の見込み | 複数の不動産会社、自治体の空き家相談窓口 |
| 解体補助金・管理不全の連絡 | 空き家がある市区町村の担当課 |
| 売却益への課税・空き家特例 | 税務署、税理士 |
| 家財の処分 | 市区町村のごみ担当課、許可・委託を受けた回収業者 |
国土交通省も、空き家の扱いや管理に迷ったときは、所在地の市区町村や専門家への相談を案内しています。所在地を確認してから窓口を探すと、補助金や空き家バンクも併せて調べられます。
よくある質問
空き家じまいは何から始めればいいですか?
まず登記簿で名義を、現地で建物の状態を確認します。売るかどうかを決める前でも、雨漏りや倒壊のおそれ、草木や郵便物など、当面の管理が必要な点を調べましょう。
空き家は必ず解体しなければなりませんか?
いいえ。建物付きで売る、貸す、修繕して使う、管理を続けるなどの選択肢があります。状態や立地、必要な費用によって比較します。
相続登記をしていない家も売れますか?
亡くなった人の名義のままでは、通常、相続人への名義変更が売却の前提になります。相続登記には期限もあるため、法務局や司法書士に早めに確認してください。
あわせて読みたい
出典
- 国土交通省「空き家になってしまったら」
- 国土交通省「空き家になる前に」
- 国土交通省「令和6年空き家所有者実態調査結果」
- 法務省「相続登記の申請義務化に関するQ&A」
- 国土交通省「空家等対策の推進に関する特別措置法関連情報」
- 国税庁 タックスアンサーNo.3306「被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」
2026年10月3日時点の情報です。制度は変わることがあるため、手続きの前に各窓口で確認してください。調べ方は調査方法にまとめています。