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墓じまい・仏壇

墓じまいの補助金はある?公営墓地の返還で使える助成・使用料の還付を38自治体で調査

更新日 2026年10月6日公的機関の資料をもとに作成

墓じまいの費用を補助する国の制度はなく、当サイトの調査で見つかった補助は、どれも市町村が管理する公営墓地を返すときのものです。墓石の撤去費を助成しているのは、確認できた範囲では群馬県太田市(上限20万円)・千葉県浦安市(上限15万円)・千葉県市川市(最大44万円)の3市です。使用料の一部が戻る制度や、合葬墓に移るときの割引も含めて、公式ページと条例で確認できたものを一覧にしました。

墓じまいの補助金はどんなお墓が対象?

対象になるのは、市町村が管理する公営墓地(市営霊園など)のお墓です。墓じまいにかかる費用は、墓石の撤去、閉眼供養のお布施、離檀料、移し先の使用料などです(→墓じまいの費用と手続き)。これを補助する国の制度はありません。寺院墓地や民営霊園のお墓を対象にした自治体の補助金も、当サイトの調査では見つかりませんでした。

一方で、市町村が管理する公営墓地(市営霊園など)では、お墓を返還するときに次のような支援を用意している自治体があります。

支援の種類 内容 確認できた例
撤去費の助成 墓石の撤去・原状回復の費用の一部を助成 群馬県太田市、千葉県浦安市、千葉県市川市
使用料の還付(使用済みでも) 最初に払った使用料の一部が戻る 宮城県美里町、埼玉県新座市、静岡県磐田市、岐阜市、姫路市など50市町村
合葬墓への移行の優遇 同じ霊園の合葬墓に移るとき、使用料を免除・減額 東京都(都立霊園)、浦安市、市原市、尾張旭市、泉佐野市
その他 管理料の免除など 札幌市、水戸市

2026年10月1日に、各自治体の公式ページ・条例・規則の原文で確認しました。全国の自治体をすべて調べたわけではなく、当サイトで確認できた38自治体の一覧です(10月6日に姫路市・四日市市・岩国市・名張市・郡山市を追加)。

都道府県別に調べる

次の都道府県は、すべての市(東京都は23区と26市、京都府・栃木県は町も)の公営墓地の条例を調べ、自治体ごとの一覧にしています。

墓石の撤去費を助成している自治体はどこ?

確認できたのは、群馬県太田市・千葉県浦安市・千葉県市川市の、東日本の3市だけでした。西日本の自治体では、撤去費を助成する制度は見つかりませんでした。

自治体 対象の墓地 助成額 主な条件・受付
群馬県太田市 八王子山公園墓地 墓石撤去費用(祭祀費用を除く)の総額か20万円の低い方 2019年4月1日以降に返還届を出し、撤去が完了した人。管理料の滞納がないこと。撤去完了後に明細書・領収書を添えて申請
千葉県浦安市 浦安市墓地公園(通常墓所・小型墓所) 原状回復費用、上限15万円 見積書を添えて申請し、返還後に交付。随時受付。合祀室へ使用料なしで移せる制度と併用できる
千葉県市川市 市川市霊園(一般墓地) 区画ごとの限度額まで(芝生墓地7.5万円、普通墓地21万〜44万円)。別に使用料の4分の1を返還 墓を継ぐ親族がいない人など。見積書・領収書・工事前後の写真が必要。予算に達すると終了(2026年5月22日にいったん終了し、9月16日に補正予算で再開)

市川市のように、予算に達すると年度の途中で受付が終わる制度があります。撤去工事の前に申請が必要なもの(浦安市は見積書を添えて申請)と、撤去の後に申請するもの(太田市)があるので、順番を必ず確認してください。

使ってきたお墓でも使用料が戻る自治体はどこ?

墓石を建てて何十年も使ってきたお墓の墓じまいでも戻る制度は、都道府県別に調べた26都道府県だけで48市町村ありました(このほか美里町・磐田市)。公営墓地を返すと使用料の一部が戻る制度は多くの自治体の条例にありますが、ほとんどは「許可から数年以内に、使わないまま返した場合」だけが対象です。主な例は次のとおりです。ほかの市町村は「都道府県別に調べる」の各ページにあります。

自治体 対象の墓地 使用済みの墓を返したときの還付
宮城県美里町 町屋敷共葬墓地・牛飼共葬墓地 10年以上たっていても2万円(町屋敷)・4.5万円(牛飼)。条例で定額
埼玉県新座市 市営墓園(普通墓所・芝生墓所) 使用料の半額(未使用なら全額)。管理料も年割で還付。2027年3月末までに返還した人に限る期間限定の制度
静岡県磐田市 市営霊園(8か所) 使用期間に関係なく使用料の50%
岐阜県岐阜市 市営墓地 使用料の3分の1(未使用なら2分の1)
愛知県尾張旭市 旭平和墓園(一般墓地) 許可から5年を過ぎても使用料の10%(年数が短いほど高い)
大阪府泉大津市 公園墓地 許可から15年未満は50%、30年未満は30%(30年以上は還付なし)
大阪府泉佐野市 公園墓地(区画墓地) 墓石の設置や埋蔵をしていれば使用料の25%
大阪府岸和田市 岸和田市墓苑 改葬した跡地は使用料の25%
岡山県玉野市 玉野市霊園 使用した霊地は10%。2016年3月31日以前に許可を受けた人は50%
山口県光市 光市墓園 墓碑などを撤去して原状に戻して返せば、使用料の3割
山口県岩国市 岩国琥珀墓地など9墓地 年数や未使用の条件なしで、使用料の3分の2
兵庫県姫路市 市有霊苑(名古山霊苑など) 許可から3年を超えても使用料の20%。2025年3月31日以前に許可を受けた墓は50%
三重県四日市市 市営霊園4か所・北部墓地公園 墓石を建てて長く使った墓でも使用料の50%(北部墓地公園は10年未満なら60〜70%)

このほか、愛知県豊橋市は公式ページに「墓所の場合は使用料の半額」とありますが、経過年数などの条件が書かれていません。愛知県知多市は「一部が還付される場合がある」とだけ案内しています。どちらも担当課への確認が必要です。

合葬墓に移ると使用料が安くなる自治体はどこ?

確認できたのは、東京都(都立霊園)・千葉県浦安市・千葉県市原市・愛知県尾張旭市・大阪府泉佐野市・三重県名張市・福島県郡山市です。墓所を返して、同じ自治体の合葬墓(合葬式墓地)に遺骨を移す場合に、移り先の使用料を免除・減額する制度です。移し先の費用を大きく減らせます。

自治体 内容
東京都(都立霊園) 今の墓所を返して合葬埋蔵施設などに移す場合、移った先の使用料を取らない(東京都霊園条例第20条の2の施設変更)。使用者が亡くなった後に承継者がいないと認められる場合の申し出による
千葉県浦安市 墓所を返して合祀室へ移す場合、移し先の使用料がかからない(撤去費の助成と併用できる)
千葉県市原市 市営墓地を返して海保墓園合葬墓を使う場合、合葬墓の使用料を取らない。墓石の撤去・改葬の費用は使用者の負担
愛知県尾張旭市 一般墓地を返して旭平和墓園の合葬式墓地へ移る場合、還付金と合わせて1体分の合葬式墓地の使用料が実質無料になるように減免
大阪府泉佐野市 区画墓地を返して合葬式墓地へ改葬する場合、使用料が1体5万円(通常は市内10万円)
三重県名張市 一般墓所を返して東山墓園の合葬式墓所へ移す場合、合葬室の使用料が何体分でも合計5万5,000円(通常は1体5万5,000円)
福島県郡山市 ほかのお墓から東山霊園の合葬墓へ改葬する場合、1体用の使用料(個別埋蔵室9万5,000円・直接合葬室4万5,000円)で複数体分の遺骨を納められる

そのほかの支援

自治体 内容
北海道札幌市 市営霊園で2026年度から始まる墓地管理料(年6,800円、許可から20年を過ぎた区画)について、期限内に墓じまいを済ませれば2026年度分を全額免除。2026年11月20日までに完了届を出し、12月18日までに完了検査に合格することが条件(→ニュース)
茨城県水戸市 公園墓地を返すと、区画に応じて7万〜29.4万円などの返還協力金。ただし一度も納骨していない区画に限るため、納骨済みのお墓の墓じまいは対象外

許可から数年以内の返還だけが対象の自治体

次の自治体は、使用料の還付がありますが、許可から1〜5年以内に、未使用(墓石を建てていない・遺骨を納めていない)のまま返した場合などに限られます。長く使ってきたお墓の墓じまいには、ほぼ当てはまりません。

自治体 還付の条件
北海道苫小牧市 許可後2年以内に原状回復して返還すれば使用料の半額
宮城県仙台市 許可後3年以内なら永代使用料の半額。3年を過ぎると管理料の月割り還付のみ
福島県福島市 許可後3年以内(新山霊園は遺骨を埋蔵していない場合)なら使用料の半額
千葉県四街道市 許可後2年未満は50〜90%。2年を過ぎても市長が特に必要と認めれば50%以内
東京都(都立霊園) 許可から3年以内に返還すれば使用料の半額
愛知県一宮市 許可から2年以内で、埋蔵施設を設置していなければ半額
愛知県名古屋市(みどりが丘公園墓地) 許可から2年以内で、墓標などを設置する前なら半額
愛知県常滑市(高坂墓園) 許可から5年以内の新品区画のみ(40〜80%)
兵庫県明石市(石ケ谷墓園) 許可後5年以内なら使用料・管理料の半額
岡山県岡山市(7墓地) 未使用なら使用料の半額
山口県下関市 許可後3年以内に墓石などを建てずに返還した場合
山口県下松市 許可から1年以内の返還で半額
島根県松江市 許可から1年未満に使用しないまま返還した場合に半額
福岡県北九州市 許可から3年以内の返還で半額
宮崎県小林市 墓石などを作っていない状態で、1年以内は8割、3年以内は5割

公営墓地を返還するときの流れは?

管理事務所に相談し、改葬許可を取って墓石を撤去・原状回復してから、返還届と還付・助成の請求を出すのが、おおむねの順番です。自治体によって違うので、次の順番で確認してください。

  1. 霊園の管理事務所・担当課に相談する:返還の手続きと、助成・還付・合葬墓への移行制度があるかを確認
  2. 遺骨の移し先を決める:合葬墓への移行制度を使うなら、その申し込み
  3. 改葬許可を申請する:お墓がある市区町村へ(→改葬許可の比較表)
  4. 撤去・原状回復の工事:助成を使う場合は、見積書の提出や工事前の申請が必要なことがある。業者の指定がある霊園も多い
  5. 返還届と還付・助成の請求:完了検査の後に、還付金や助成金の請求書を出す

多くの公営墓地では、墓石や基礎を撤去して更地(原状)に戻してから返すのが条件です。撤去の費用は、助成がない限り使用者の負担です。

寺院墓地・民営霊園のお墓に補助金はある?

寺院墓地や民営霊園のお墓の墓じまいに使える補助金は、当サイトの調査では見つかりませんでした。費用を抑えるには、複数の石材店から見積もりを取る、離檀料の根拠を確認する(納得できなければ消費生活センター188に相談)、といった方法が中心になります。詳しくは墓じまいの費用と手続きを参照してください。

よくある質問

墓じまいに補助金はありますか?

国の補助金はなく、寺院墓地や民営霊園のお墓を対象にした補助金も、当サイトの調査では見つかりませんでした。市町村が管理する公営墓地では、返還するときに墓石撤去費を助成する制度(群馬県太田市・千葉県浦安市・千葉県市川市)や、使用料の一部が戻る制度がある自治体があります。

墓石を建てて使ってきたお墓でも、使用料は戻りますか?

多くの自治体では、許可から数年以内に未使用のまま返した場合だけが還付の対象です。ただし、宮城県美里町、埼玉県新座市(2027年3月末までの返還)、静岡県磐田市、岐阜市、愛知県尾張旭市、大阪府泉大津市・泉佐野市・岸和田市、岡山県玉野市、山口県光市などは、使用済みの墓を返しても一部が戻ると定めています。

公営墓地を返して、同じ霊園の合葬墓に移ると安くなりますか?

東京都の都立霊園、千葉県浦安市・市原市、愛知県尾張旭市、大阪府泉佐野市などは、墓所を返して合葬墓に移る場合に、合葬墓の使用料を免除または減額する制度を設けています。条件は自治体ごとに違うので、霊園の管理事務所に確認してください。

出典

2026年10月6日時点の情報です。制度は変わることがあるため、手続きの前に各窓口で確認してください。調べ方は調査方法にまとめています。