まず分ける:売る・譲る・処分する
| 分け方 | 当てはまる物 | 次にすること |
|---|---|---|
| 売る | メーカー名・型番・作者名が分かる物、動く機械、箱や付属品がそろっている物 | 品物に合った売り先を選んで査定を比べる |
| 譲る | 家族が使いたい物、思い出の品 | 相続人どうしで誰が引き継ぐかを決める |
| 処分する | 値段が付かない物、壊れて直せない物 | 自治体の粗大ごみ・リサイクルのルールで出す |
相続放棄を考えているなら、売る前に止まってください。 相続財産を売るなどして処分すると、相続を承認したものとみなされ、相続放棄ができなくなることがあります(民法第921条)。
相続人が複数いるときは、売る物と、売ったお金の分け方を先に話し合っておくと、後でもめにくくなります。
売り方の違い
| 売り方 | 向いている物 | 気をつけること |
|---|---|---|
| 店頭買取 | 持ち運べる物 | 店の営業所での取引なので、訪問購入のクーリング・オフの仕組みはない |
| 宅配買取 | 箱に入る物、近くに店がない場合 | 送料・返送料・キャンセルの条件は業者ごとに違う。申し込む前に規約を確認する |
| 出張買取 | 大きい物、量が多い物 | 特定商取引法の「訪問購入」のルールがある(下で説明) |
| フリマ・ネットオークション | 相場を自分で調べられる物 | 梱包・発送・問い合わせへの対応が必要。手間がかかる |
出張買取(訪問購入)のルール
自宅に来てもらう出張買取には、特定商取引法で次のルールがあります。
- 頼んでいないのに訪問して勧誘してはいけない(第58条の6)
- 契約の書面を受け取った日から数えて8日以内なら、クーリング・オフで契約を解除できる(第58条の14)
- その期間中は、引き渡しの日が決まっていても品物を渡さなくてよい(第58条の15)
ただし、持ち運びが容易でない家電・家具・自動車・書籍・有価証券・レコードやCDなどは、このルールの対象外です(特定商取引法施行令第34条)。大型のオーディオや家具を出張買取で売るときは、その場で決めず、見積もりを比べてから契約しましょう。なお、新品のときの価格以上で取引されるような骨とう品・収集品は、こうした品物でもルールの対象になると消費者庁・経済産業省の通達で解釈されています。
詳しいルールと、実際に多いトラブルは実家から出てきた物の売り方にまとめています。
品物ごとのガイド
| 品物 | 主な注意点 | ガイド |
|---|---|---|
| オーディオ(アンプ・スピーカー・レコードプレーヤー) | 運び出しに人手がいる据え置き型の機器は、訪問購入のクーリング・オフの対象外になる可能性がある | 実家のオーディオの売り先 |
| 楽器 | ピアノは多くの自治体が粗大ごみで収集しない。象牙鍵盤のピアノは、1回だけ売るときも事前に経済産業省へ問い合わせ | 実家の楽器の売り先 |
| 刀・日本刀 | 登録証が必要。相続で取得したら20日以内に、登録をした都道府県の教育委員会へ届け出る(銃砲刀剣類所持等取締法第17条)。登録証がなければ、まず警察署へ発見の届出 | 実家から刀が出てきたら |
| 古銭・記念硬貨・切手 | 古いお札や記念硬貨の多くは今も額面で使える。切手は郵便局で交換もできる | 古銭・記念硬貨・古いお札・切手 |
| レコード | 出張買取のクーリング・オフは原則使えない。宅配は断ったときの返送料を確認 | 実家のレコードの売り先 |
| カメラ・レンズ | メーカーの修理が終わった機種が多い。メモリーカードとバッテリーは別に扱う | 実家のカメラ・レンズの売り先 |
| 骨董品・掛け軸 | 骨とう品は出張買取のルールの対象。30万円を超えると課税、重要文化財かも確認 | 実家の骨董品・掛け軸の売り先 |
| 鉄道模型 | 規格・箱の有無で条件が変わる。動かない物を買い取らない業者もある | 実家の鉄道模型の売り先 |
| 着物・帯・和装小物 | 出張買取のトラブルが多い品物。呼んだ業者でもクーリング・オフは使える。証紙は手がかり | 実家の着物の売り先 |
| ゴルフ会員権 | 相続・名義書換料はクラブの会則しだい。売って損が出ても損益通算できない | 親のゴルフ会員権を相続したら |
メーカー名・地域から探す
| 品物 | メーカー |
|---|---|
| ピアノ・電子楽器 | ヤマハのピアノ・カワイのピアノ・エレクトーン |
| ギター | ギブソン |
| オーディオ | アキュフェーズ・JBL・マッキントッシュ |
| カメラ | ライカ・オリンパス・ニコン・ハッセルブラッド |
| 鉄道模型 | TOMIX・メルクリン |
| 着物 | 着物の買取相場・着物の処分のしかた・大阪で着物を売る |
売ったときの税金
生活に使っていた家具や衣服などを売った所得は、原則として非課税です。ただし、1個または1組の価額が30万円を超える貴金属・宝石・書画・骨董などを売った所得は、譲渡所得として課税の対象になります(国税庁タックスアンサーNo.3105)。高額な物を売るときは、税務署に確認してください。
よくある質問
売れる物と処分する物は、どう見分ければいいですか?
型番・メーカー名・作者名などが分かる物は、まずその名前で買取業者の公開している買取実績やフリマの売り切れ価格を調べると、値段が付くかの目安になります。分からない物は、捨てる前に複数の業者に査定を頼むのが確実です。
出張買取で売った物を、あとから取り戻せますか?
出張買取(訪問購入)は、契約の書面を受け取った日から数えて8日以内なら、クーリング・オフで契約を解除できます。その間は品物の引き渡しを拒むこともできます。ただし、持ち運びが容易でない家電・家具・自動車・書籍・レコードやCDなどは対象外です。
相続放棄をするかもしれません。先に物を売ってもいいですか?
相続財産を売るなどして処分すると、相続を承認したものとみなされ、相続放棄ができなくなることがあります(民法第921条)。放棄を考えている場合は、売る前に家庭裁判所や専門家に相談してください。
あわせて読みたい
出典
- e-Gov法令検索「特定商取引に関する法律」(第58条の6・第58条の14・第58条の15)
- e-Gov法令検索「特定商取引に関する法律施行令」(第34条)
- e-Gov法令検索「銃砲刀剣類所持等取締法」(第17条)
- e-Gov法令検索「民法」(第921条)
- 国税庁 タックスアンサーNo.3105「譲渡所得の対象となる資産と課税方法」
2026年10月7日時点の情報です。制度は変わることがあるため、手続きの前に各窓口で確認してください。調べ方は調査方法にまとめています。