実家じまいの基本

実家じまいの費用はいくら?【データで見る】内訳と安く抑える方法

更新日 2026年9月28日公的機関の資料をもとに作成

実家じまいの費用は「全部でいくら」と一言では言えません。ただ、法律で金額が決まっている手続きと、業者の見積もりで変わる作業に分けると、見通しが立てやすくなります。

費用は2種類に分けて考える

種類 例 特徴
法律で金額が決まっているもの 登録免許税、相続放棄の印紙代、国庫帰属の手数料・負担金、証明書の手数料 計算すれば事前に分かる
見積もり次第で変わるもの 家財の片付け、解体工事、司法書士などの報酬、不動産の仲介手数料 業者・物件によって大きく変わる。公的な相場はない

まず前者を計算し、後者は複数の見積もりで比べる、という順で考えると見通しが立ちます。

法律で金額が決まっている費用

手続き 金額 出典
相続登記の登録免許税 固定資産税評価額の1000分の4(最低1,000円) 登録免許税法
同・価額100万円以下の土地 非課税(2027年3月31日までの申請) 租税特別措置法84条の2の2
所有不動産記録証明書 書面請求1,600円、オンライン請求1,470〜1,500円 法務省
相続放棄の申述 収入印紙800円(1人につき)+郵便切手 裁判所
相続土地国庫帰属の審査手数料 1筆14,000円(不承認でも返金されない) 法務省
相続土地国庫帰属の負担金 原則20万円(一部の宅地・農地・森林は面積で計算) 法務省

登録免許税の計算例

評価額1,000万円の家(土地600万円・建物400万円)を1人で相続する場合:

  • 課税価格:1,000万円
  • 登録免許税:1,000万円 × 4/1000 = 40,000円

土地の評価額が100万円以下なら、その土地は非課税になります。複数の不動産や持分がある場合は、登録免許税 計算ツールで計算できます。

見積もり次第で変わる費用

家財の片付け・遺品整理

公的機関が公表している費用の目安はありません。 家の広さ、物の量、搬出のしやすさ、買取できる物があるかで大きく変わります。

国民生活センターには、次のような相談が寄せられています。

  • 広告では7,000円だった不用品回収が、作業後に25万円を請求された
  • 「トラック詰め放題」が、実際は荷台の囲いの高さまでだった

家庭の不用品を回収できるのは、市区町村の一般廃棄物処理業の許可を持つか、市区町村から委託を受けた業者です。見積もりは複数社から取り、追加料金が出る条件を書面で確認しましょう。

解体工事

解体費用も、公的な相場はありません。 構造(木造・鉄骨・RC)、延べ床面積、道路の広さ、アスベストの有無、庭木やブロック塀の撤去などで変わります。

参考になる公的な数字として、国土交通省は補助金の計算に使う除却工事費の上限単価を公表しています(2026年度)。

構造 1㎡あたりの上限単価
木造 36,000円
非木造 51,000円

これは「補助の計算で認める上限」であって、実際の工事費の相場ではない点に注意してください。

費用を抑える公的な制度

1. 市区町村の解体補助金

当サイトで公式ページを確認した101市区町村のデータ(2026年9月28日時点)では、主な制度の上限額は10万〜164.5万円、真ん中の値(中央値)は50万円でした。

上限額 市区町村数
30万円以下 19
40万〜50万円 40
60万円 12
80万円 19
100万円以上 11

多くの市区町村で、市の判定で「老朽化して危険」とされた空き家に限られ、交付決定の前に着工すると対象外になります。受付は年度の途中で予算に達して終わることが多いので、早めに確認してください。→ 市区町村別データを見る

2. 空き家を売ったときの3,000万円特別控除

相続した実家を売って利益が出た場合、条件を満たせば譲渡所得から最大3,000万円(相続人が3人以上なら1人2,000万円)を控除できます。2027年12月31日までの売却が対象です。要件の詳細は実家じまいの手順の「売る場合」を参照してください。

3. 価額100万円以下の土地の登録免許税の免税

相続登記で、評価額(持分があれば評価額×持分)が100万円以下の土地は、2027年3月31日までの申請なら登録免許税がかかりません。

放置すると増えるかもしれない費用

空き家を管理しないまま放置し、市区町村から「管理不全空家」または「特定空家」として勧告を受けると、土地の固定資産税の住宅用地特例が外れます。

住宅用地の区分 特例(課税標準)
小規模住宅用地(200㎡以下の部分) 6分の1
一般住宅用地(200㎡を超える部分) 3分の1

勧告を受けるとこの特例がなくなるため、土地の固定資産税が大きく増えることがあります。特定空家の命令に違反すると、50万円以下の過料の対象にもなります。

費用の見通しを立てる手順

  1. 固定資産税の納税通知書で、土地・建物の評価額を確認する
  2. 登録免許税など、法律で決まった費用を計算する
  3. 家の行き先(売る・解体・残す)の候補を決める
  4. 片付け・解体は複数社から見積もりを取る
  5. 解体補助金・3,000万円控除など、使える制度を確認する
  6. 相続人の間で、誰がどの費用を負担するかを決める

よくある質問

実家じまいの費用は誰が払いますか?

法律で決まった負担者はなく、相続人同士の話し合いで決めるのが一般的です。家を相続する人が負担する、売却代金から精算する、などの方法があります。揉めそうな場合は、遺産分割の話し合いの中で決めておくと安心です。

解体費用の相場はいくらですか?

公的機関が公表している解体費用の相場はありません。建物の構造・広さ・立地・アスベストの有無で大きく変わるため、複数の業者から見積もりを取るのが確実です。国が補助の計算に使う上限単価(木造1㎡あたり36,000円)は、実際の工事費ではなく補助計算の上限です。

片付けや遺品整理の費用の目安はありますか?

公的な目安は見当たりません。国民生活センターには、見積もりより高い金額を請求された相談が寄せられています。許可の有無を確認し、複数社から見積もりを取り、追加料金の条件を書面で確認してください。

出典

2026年9月28日時点の情報です。制度は変わることがあるため、手続きの前に各窓口で確認してください。調べ方は調査方法にまとめています。