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墓じまい・仏壇

仏壇を処分する方法|粗大ごみ・引き取り・閉眼供養と費用

更新日 2026年9月30日公的機関の資料をもとに作成

仏壇は、多くの自治体で粗大ごみとして出せます。手数料は大阪市1,000円・神戸市1,200円・名古屋市2,000円(2026年10月1日収集分から)など市区によって違い、閉眼供養(魂抜き)は法律上の義務ではありません。ただ、処分の前に「中に何が入っているか」「親族の了解はあるか」「供養をどうするか」「相続放棄を考えていないか」を確認しておくと、後で困りません。

仏壇はどうやって処分する?

自治体の粗大ごみ、仏壇店・寺院の引き取り、遺品整理・不用品回収業者、自己搬入の4つの方法があります。どれか1つに決める必要はなく、「供養は菩提寺にお願いして、仏壇本体は粗大ごみで出す」という組み合わせもよくある形です。

方法 内容 費用の決まり方 向いている場合
自治体の粗大ごみ 申し込んで手数料を払い、指定日に出す 自治体の手数料(数百円〜数千円) 費用を抑えたい。自分で家の外まで運び出せる
仏壇店・寺院の引き取り 仏壇店や寺院に引き取ってもらう。供養とセットのこともある 店・寺院ごと。公的な基準はない 供養もまとめて頼みたい。新しい仏壇に買い替える
遺品整理・不用品回収業者 家の片付けと一緒に運び出してもらう 業者の見積もり 家財がほかにも大量にある。運び出せない
自己搬入 自治体のごみ処理施設に自分で持ち込む 重さなどで決まる施設の手数料 車があり、急いで処分したい

業者に頼むときは「一般廃棄物」の許可を確認

家庭から出る不用品は「一般廃棄物」です。環境省は、家庭の廃棄物を回収するには市区町村の「一般廃棄物処理業許可」や委託が必要で、「産業廃棄物処理業の許可」や「古物商の許可」では回収できないと案内しています。

仏壇を「無料で引き取る」「供養付きで回収する」とうたう業者に頼むときも、次の点を確認してください。

確認すること 理由
一般廃棄物収集運搬業の許可(または許可業者との提携)があるか 無許可の業者は不法投棄や高額請求のおそれがある
供養の内容と、誰が行うか 「供養付き」の中身は業者ごとに違う
見積もりに運び出し・供養・処分の費用がすべて入っているか 当日の追加料金を防ぐ

業者の選び方は、実家の片付け・遺品整理業者の選び方にまとめています。

仏壇の粗大ごみの手数料はいくら?

主要都市では、大阪市1,000円、神戸市1,200円、名古屋市2,000円(2026年10月1日収集分から)、福岡市300〜1,000円などで、大きさで手数料が変わる市区もあります。各市区の公式ページ(2026年9月30日時点)で、仏壇の扱いと手数料を確認しました。

自治体 扱い 手数料 注意点
東京都大田区 粗大ごみ(「箱物家具」として申し込む) 300〜3,200円(一番長い辺と次に長い辺の合計で5段階) いずれかの一辺が230cmを超えると収集できない
東京都江戸川区 粗大ごみ 400〜3,200円(高さ・幅・奥行の合計で5段階) 50kgを超えるものは粗大ごみでは扱えない
東京都練馬区 粗大ごみ(有料・申込制) 未確認(区の料金検索で確認) ―
横浜市 粗大ごみ 未確認(粗大ごみ受付で確認) 50cm未満のものは燃やすごみ
大阪市 粗大ごみ 1,000円 ―
名古屋市 粗大ごみ 2026年9月収集分まで1,000円、10月1日収集分から2,000円 基準は申込日ではなく収集日
札幌市 大型ごみ(有料) 未確認(大型ごみ収集センターで確認) ―
福岡市 粗大ごみ(供物台を除く) 300〜1,000円(高さ・横幅が1m以上か未満かで3段階) ―
京都市 未確認 大型ごみの手数料は品目・大きさにより400〜2,400円 品目ごとの金額は市の品目一覧表で確認
神戸市 大型ごみ 1,200円 5kg以内で指定袋に入り口を結べれば、素材により燃えるごみ・燃えないごみ
さいたま市 仏壇の個別の記載は未確認 粗大ごみ(最大の一辺か直径が90cm以上2m未満)は1品550円 ―
広島市 未確認(市の料金一覧表と50音事典に「仏壇」の記載が見当たらない) 未確認 大型ごみ受付センターで確認
仙台市 粗大ごみ 高さ・幅・奥行の合計が2.5m未満は800円、2.5m以上は1,600円 100kgを超えるものは許可業者に依頼

大田区と江戸川区の区分は、次のとおりです。

大田区(箱物家具)
一番長い辺+次に長い辺
手数料 江戸川区(仏壇)
高さ+幅+奥行
手数料
135cm未満 300円 165cm以下 400円
135cm以上180cm未満 900円 230cm以下 900円
180cm以上270cm未満 1,300円 330cm以下 1,300円
270cm以上360cm未満 2,300円 420cm未満 2,300円
360cm以上 3,200円 420cm以上 3,200円

東京23区は、同じ仏壇でも区によって区分の決め方と手数料が違います。福岡市も、同じ仏壇が大きさで300円から1,000円まで変わります。申し込む前に、高さ・幅・奥行をメジャーで測っておくとスムーズです。

「未確認」とした自治体は、市のインターネット受付の品目検索が当サイトの確認方法では表示できなかったものです。受け付けないという意味ではありません。

名古屋市の粗大ごみの変更点は、ニュースにまとめています。

自己搬入という方法もある

自治体のごみ処理施設に、自分で運び込む方法もあります。例えば仙台市の今泉工場では、粗大ごみの持ち込みの手数料は1回・1台の搬入につき100kgまで1,500円(100kg超は10kgごとに150円)です。粗大ごみは長さ2m以下・1個100kg以下という条件があります。

事前予約が必要な施設もあるので、お住まいの自治体の案内を確認してください。

閉眼供養(魂抜き)はしなければいけない?

しなくても法律上の問題はありません。ただし、宗派や家によって考え方が違います。

法律上の義務ではない

仏壇を処分する前に、僧侶にお経をあげてもらう儀式を、一般に「閉眼供養」「魂抜き」「お性根抜き」などと呼びます。これは宗教上の慣習で、法律で義務づけられたものではありません。今回確認した自治体の粗大ごみの案内でも、供養を済ませることを条件にしている例はありませんでした。

ただ、親族の中には「供養をしないまま捨てるのは気が引ける」と感じる人もいます。後で揉めないよう、供養をするかどうかも含めて、処分の前に親族で話し合っておきましょう。

宗派によって考え方が違う

仏壇に対する考え方は、宗派によって違います。例えば浄土真宗について、宗派の公式サイトは次のように案内しています。

宗派 公式サイトの案内
浄土真宗本願寺派(西本願寺) 新しい仏壇にご本尊を迎えるときの法要を「入仏法要」という。僧侶が仏さまの「魂」を入れるのではない
真宗大谷派(東本願寺) ご本尊を安置するときや移すときに「御移徙(おわたまし)」の法要を勤める。俗に「お魂入れ」などと言われるが、ご本尊に新しい魂や性根を入れるという受けとめはない

このため浄土真宗では、仏壇を手放すときの法要も「閉眼供養」「魂抜き」とは呼ばず、「遷仏法要」などと呼ばれることがあります。呼び方や作法は宗派・地域・寺院によって違うので、菩提寺がある場合は、その寺院に確認するのが確実です。

お布施に公的な基準はない

閉眼供養や遷仏法要のお布施の金額について、公的な基準や目安はありません。寺院に直接聞いてかまいません。菩提寺がない場合は、仏壇店や、供養を取り次ぐサービスを利用する方法もあります。

仏壇を処分する前に何を確認する?

仏壇の中身(位牌・過去帳・現金や書類など)と、親族の了解を確認します。

仏壇の中身を確認する

仏壇には、引き出しや台の下など、見えにくい収納がたくさんあります。処分の前に、すべての引き出しを抜いて中を確認してください。

入っていることがある物 どうするか
位牌 仏壇とは別に扱うことが多い。下の「位牌の扱い」を参照
過去帳 家の故人の命日や戒名(法名)を記した帳面。家系をたどる資料になるので、引き継ぐ人を決めて残す
本尊・掛け軸 寺院や仏壇店に扱いを相談する
遺影・写真 親族に形見として分けるか、残すかを決める
現金・通帳・印鑑・権利証などの書類 相続財産の可能性がある。処分せずに保管し、相続人で共有する
手紙・お守り・記念品 親族に確認してから処分する

国民生活センターには、遺品整理サービスで「処分しないようにと頼んだ物を勝手に処分された」という相談が寄せられています。業者に頼む場合は、残す物を先に取り出し、別の部屋に分けておきましょう。

位牌の扱い

位牌は、仏壇と一緒に処分せず、別に扱うのが一般的とされています。主な選択肢は次のとおりです。

選択肢 内容
自宅で引き継ぐ 小さな仏壇や棚に移して、引き続きお祀りする
寺院に預ける・納める 菩提寺などに相談する。費用は寺院ごと
仏壇店などに供養・処分を頼む 仏壇と一緒に引き取るサービスもある

なお、真宗大谷派は、お内仏(仏壇)には位牌を用いないと案内しています。家の宗派によっては、そもそも位牌がない場合もあります。

親族の了解を取る

仏壇は家族みんなの物という意識を持つ人も多く、一人で処分を決めると揉めることがあります。特に、仏壇を引き継いでお祀りしたい親族がいないかは、先に確認しておきましょう。

相続放棄を考えているときの注意

仏壇は「祭祀財産」として別に承継される

民法第897条では、系譜・祭具・墳墓の所有権は、相続財産とは別に、慣習に従って「祖先の祭祀を主宰すべき者」が承継すると定めています。亡くなった人が指定した人がいればその人が、慣習が明らかでなければ家庭裁判所が決めます。

仏壇は、一般にこの「祭具」に当たると考えられています。国税庁も、仏壇や仏具などの日常礼拝をしている物は、原則として相続税がかからない財産として案内しています(骨とう的価値があるなど投資の対象となるものは除く)。

区分 主な物 誰が引き継ぐか
祭祀財産 系譜(家系図など)、祭具(仏壇・位牌など)、墳墓(お墓) 祭祀を主宰すべき者(民法第897条)
相続財産 預貯金、不動産、家財など 相続人(民法第896条)

それでも処分は慎重に

民法第921条では、相続人が相続財産の全部または一部を処分すると、相続を単純承認したものとみなされます。仏壇そのものは祭祀財産とされていても、次のような点に注意が必要です。

  • 仏壇の中に、現金や貴重品など相続財産が入っていることがある
  • 高価な仏壇など、日常礼拝の物とは言いにくいものがある
  • 仏壇の処分と一緒に、ほかの家財(相続財産)も片付けてしまいやすい

仏壇の処分が単純承認に当たるかどうかを一律に判断した公的な資料は、当サイトの調査では見つかりませんでした。相続放棄を考えている場合は、仏壇や家財を処分する前に、家庭裁判所や弁護士・司法書士などの専門家に確認してください。

トラブルにあったときの相談先

国民生活センターの公表資料で、仏壇の処分だけを取り上げた注意喚起は、当サイトの調査では見つかりませんでした。ただ、仏壇の処分と関係の深い分野では、次のような相談が寄せられています。

分野 寄せられている相談の例
遺品整理サービス 見積もりの2倍の費用を請求された、処分しないよう頼んだ物を処分された、高額なキャンセル料を請求された
墓・葬儀サービス 墓じまいを頼んだら寺院から高額な離檀料を請求された(PIO-NETの相談件数は2025年度に「墓」1,077件、「葬儀サービス」1,005件)

契約や請求に納得できないときは、その場で払わずに、消費者ホットライン188(最寄りの消費生活センター)に相談しましょう。

仏壇の処分の流れ

  1. 親族で話し合う:処分するか、誰かが引き継ぐか、供養をどうするか
  2. 相続放棄を考えていないか確認する:考えている場合は、処分の前に専門家に相談
  3. 中身を確認する:位牌、過去帳、遺影、現金や書類を取り出す
  4. 供養をするか決めて依頼する:菩提寺、または仏壇店など
  5. 処分方法を決める:粗大ごみ、仏壇店・寺院の引き取り、許可業者、自己搬入
  6. 大きさを測って申し込む:粗大ごみなら手数料券を買い、指定日に出す

墓じまいも考えている場合は、墓じまいの費用と手続きもあわせて確認してください。

よくある質問

仏壇は粗大ごみで捨ててもいいのですか?

多くの自治体で、仏壇は粗大ごみ(大型ごみ)の品目として案内されています。例えば大阪市は1基1,000円、神戸市は1,200円、名古屋市は2026年10月1日収集分から2,000円です。大きさで手数料が変わる市や、重さに上限がある区もあるので、お住まいの自治体で確認してください。

相続放棄を考えていますが、仏壇を処分しても大丈夫ですか?

仏壇などの祭具は、民法第897条により、相続財産とは別に「祖先の祭祀を主宰すべき者」が承継すると定められています。ただし、仏壇の中に現金や貴重品など相続財産が入っていることもあり、相続財産を処分すると単純承認とみなされるおそれがあります(民法第921条)。処分の前に家庭裁判所や専門家に確認してください。

出典

2026年9月30日時点の情報です。制度は変わることがあるため、手続きの前に各窓口で確認してください。調べ方は調査方法にまとめています。