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墓じまい・仏壇

墓じまいの費用と手続き|内訳・改葬許可・補助金を公的データで整理

更新日 2026年9月29日公的機関の資料をもとに作成

墓じまいの費用には公的機関が公表している目安や平均がなく、墓石の撤去・お布施・離檀料・移し先の使用料などの見積もりで決まります。手続きでは、今のお墓がある市区町村で改葬許可を取る必要があり、申請の手数料は無料のところが多くなっています。まずは流れと、お金がかかるポイントを押さえましょう。

墓じまいとは?

墓じまいとは、今のお墓から遺骨を取り出して墓石を撤去し、区画を墓地に返すことです。 取り出した遺骨は、別のお墓・納骨堂・永代供養墓などに移します。

法律上は、遺骨を別の場所に移すことを「改葬」といい、墓地埋葬法で次のように定められています。

  • 改葬には、市区町村長の許可が必要(第5条)
  • 申請先は、今の遺骨がある場所の市区町村(第5条第2項)
  • 許可されると改葬許可証が交付され(第8条)、移し先の墓地や納骨堂は、それを受け取るまで遺骨を受け入れられない(第14条)

墓じまいはどのくらい増えている?

全国の改葬件数は、2024年度は176,140件で、10年前の約2.1倍です(厚生労働省「衛生行政報告例」)。

年度 改葬件数
2014年度 83,574件
2017年度 104,493件
2021年度 118,975件
2022年度 151,076件
2023年度 166,886件
2024年度 176,140件

墓じまいの手続きの流れは?

親族で移し先を決め、今の墓地の管理者から埋蔵証明をもらって市区町村に改葬許可を申請し、遺骨を取り出して墓石を撤去してから、移し先に納骨します。

  1. 親族で話し合う:墓じまいをするか、遺骨の移し先をどこにするか
  2. 移し先を決めて契約する:新しいお墓、納骨堂、永代供養墓など
  3. 今の墓地の管理者に伝える:寺院墓地なら住職、霊園なら管理事務所
  4. 埋蔵証明を受け取る:今の墓地の管理者に、遺骨が埋蔵されていることを証明してもらう
  5. 市区町村に改葬許可を申請する:今のお墓がある市区町村
  6. 遺骨を取り出し、墓石を撤去する:閉眼供養(魂抜き)を行うかは宗派や家の考えによる
  7. 移し先に改葬許可証を出して納骨する

改葬許可の申請に必要なもの

墓地埋葬法施行規則第2条で、申請書に書く内容と添付書類が決まっています。

区分 内容
申請書に書くこと 亡くなった人の本籍・住所・氏名・性別、死亡年月日、埋葬(火葬)の場所と年月日、改葬の理由、改葬先、申請者の住所・氏名と続柄
添付書類 今の墓地の管理者が作る埋蔵(収蔵)証明。申請者が墓地の使用者でない場合は、使用者の承諾書
市区町村によって違うもの 移し先の受入証明書など(例:横浜市は不要、大阪市北区は必要)

手数料は無料の市区町村が多く、郵送で申請できるところもあります。書式や必要書類は、今のお墓がある市区町村のホームページで確認してください。政令指定都市20市の違いは改葬許可の比較表にまとめています。

墓じまいの費用はいくら?

墓じまいの費用について、公的機関が公表している目安や平均はありません。 お墓の大きさや立地、移し先の種類で大きく変わるため、ここでは「何にお金がかかるか」を整理します。

費用の項目 内容 金額の決まり方
墓石の撤去・区画の整地 墓石を解体・運搬し、区画を元に戻す 石材店などの見積もり。墓地によっては指定業者がある
閉眼供養・納骨時の法要 僧侶へのお布施 寺院との話し合い
離檀料 寺院墓地を離れるときに求められることがある 公的な基準なし
改葬許可の申請 市区町村への申請 無料のところが多い
移し先の費用 新しいお墓・納骨堂・永代供養墓の使用料など 施設ごとの料金表
遺骨の取り出し・運搬 骨壺の取り出し、洗骨や乾燥など 業者の見積もり

国民生活センターには、「菩提寺に墓じまいを頼んだら高額な離檀料を請求された。規約などの定めもなく根拠がわからない」という相談が寄せられています。納得できない場合は、その場で払わずに消費生活センター(188)に相談しましょう。

墓じまいに使える補助金

一部の市では、市が管理する公営墓地を返還する場合に、墓石撤去などの費用を助成しています。

市 制度 助成の上限
群馬県太田市 八王子山公園墓地の墓石撤去費用助成 撤去費用の総額か20万円の低い方
千葉県浦安市 墓所返還者等支援事業(浦安市墓地公園) 15万円
千葉県市川市 一般墓地返還促進事業(市川市霊園) 芝生墓地7.5万円、普通墓地は区画により21万〜44万円

寺院墓地や民営霊園のお墓を対象にした補助金は、当サイトの調査では見つかりませんでした。お墓が公営墓地にある場合は、その自治体に返還の支援制度がないか確認してください。使用料の還付や合葬墓への移行の優遇も含めた38自治体の一覧は、墓じまいの補助金の記事にまとめています。

遺骨の移し先にはどんな種類がある?

一般のお墓、納骨堂、永代供養墓・樹木葬、散骨があります。遺骨を土に埋めるなら、許可を受けた墓地で行う必要があります(墓地埋葬法第4条)。

移し先 法律上の扱い
一般のお墓 都道府県知事(市・特別区では市長・区長)の許可を受けた墓地。遺骨の埋蔵は墓地以外ではできない(墓地埋葬法第4条)
納骨堂 許可を受けた施設。建物の中で遺骨を収蔵する
永代供養墓・樹木葬 法律上の用語ではない。遺骨を土に埋める場合は、許可を受けた墓地で行う必要がある
散骨 墓地埋葬法が想定する埋蔵・収蔵以外の方法。厚生労働省のページに、研究事業でまとめられた事業者向けのガイドラインが掲載されている

仏壇の処分

墓じまいと合わせて、実家の仏壇を処分する人も多くいます。仏壇は多くの自治体で粗大ごみとして出せます。

市 扱い 手数料
大阪市 粗大ごみ 1基1,000円
名古屋市 粗大ごみ 2026年9月収集分まで1,000円、10月1日収集分から2,000円
福岡市 粗大ごみ(供物台を除く) 大きさにより300〜1,000円

名古屋市の粗大ごみの変更点は、ニュースにまとめています。ほかの市の手数料や引き取りの方法は、仏壇を処分する方法で詳しく比べています。

閉眼供養をしてから出すかどうかは、家や宗派の考えによります。仏壇店や寺院の引き取りサービスもあります。

よくある質問

墓じまいには役所の許可が必要ですか?

遺骨を別のお墓や納骨堂に移す「改葬」には、今のお墓がある市区町村長の許可が必要です(墓地埋葬法第5条)。許可されると改葬許可証が交付され、移し先の管理者は改葬許可証を受け取らないと遺骨を受け入れられません。

墓じまいに補助金はありますか?

一部の市で、市が管理する公営墓地を返還する場合に、墓石撤去費用の一部を助成する制度があります(例:群馬県太田市は上限20万円、千葉県浦安市は上限15万円)。寺院墓地や民営霊園のお墓を対象にした補助金は、当サイトの調査では見つかりませんでした。

離檀料は払わなければいけませんか?

離檀料の金額や支払い義務について、公的な基準はありません。国民生活センターには、規約などの定めがないのに高額な離檀料を請求されたという相談が寄せられています。納得できない場合は、消費生活センター(消費者ホットライン188)に相談できます。

出典

2026年9月29日時点の情報です。制度は変わることがあるため、手続きの前に各窓口で確認してください。調べ方は調査方法にまとめています。